便秘と肌トラブル

便秘で悩まれている方はけっこう多いといわれています。ある調査では日本人の全年齢層の15%程度が便秘だということです。そこで、今回は便秘と肌トラブルの関係についてお話しします。コロナ禍でお家時間が増え、「生活サイクルが狂って便秘がち」とおっしゃる方も少なくないようですが、家にいる時間が多い今こそ便秘を改善する機会であるともいえそうです。


まず、便秘の定義から。口から摂取した食べ物は必要な栄養素だけが体内に吸収され、残りは便として体外に排出されます。便秘とは、その老廃物が体から排出されずに体内に残っている状態のことをいいます。一般的に、4〜5日以上便が出なければ便秘といわれますが、排便の量や不快感の有無など個人差が大きいので、一概に「こうなれば便秘だ」と定義付けることは難しいようです。したがって、たとえば毎日お通じがあったとしても、排便の量が少なく、スッキリしなければそれも便秘といえるでしょう。



そもそも便秘はなぜ起こるのでしょうか。

便秘の種類によりいくつかの原因が指摘されていますが、多くは、大腸の中で内容物の移動に時間がかかり、その間に水分が過剰に吸収されて便が硬くなったり、排便そのものが困難になることによって起こるといわれています。


では、便秘が私たちの体に肌トラブルなどの悪影響を与えるメカニズムはどのようなものでしょうか。

普段は、大腸には便を栄養にして腸内細菌が一定数住み着いて私たちの身体を感染などから守ってくれています。ところが、便秘をすると便の鮮度が下がり腐敗していきます。 すると、乳酸菌や大腸菌は栄養として便を利用できなくなってその数が減ってしまい、代わりに悪玉菌と呼ばれる腸内細菌が増殖していきます。腐敗した便や悪玉腸内細菌からは、身体に有害な硫黄酸化物や窒素酸化物などのガスが発生するようになります。


便秘で正常な腸内細菌の分布が崩れると、オナラがとても臭くなったり、便が強い匂いを発することは経験的に理解できるでしょう。この臭気物質や有害物質は、オナラや便だけにとどまらず腸内から吸収されて、全身を循環して体に変調をもたらします。肌についていえば、便秘と肌荒れにはいくつかの要因が指摘できます。まず、食べ物から栄養素が吸収されにくくなることにより、ビタミンB群が不足し、角栓の元となる皮脂が増えます。腸内環境が悪くなると自律神経のバランスが乱れ、肌のターンオーバーに影響することもその一つ。ターンオーバーとは、一定のサイクルで肌が生成と排出を繰り返す代謝の仕組みをいいます。この代謝のサイクルが乱れると毛穴が詰まってニキビができたり、肌荒れを起こしてしまったりするのです。


それでは、便秘を改善して健康な肌を実現するにはどうすればいいのでしょうか。

まずは、お家時間の増えた今、1日3食しっかり摂ることが大切です。その際、食材の中でも食物繊維は、腸のぜん動運動を促す働きをします。よく知られているように、食物繊維は穀類やキノコ類、豆類、根菜、海藻などに多く含まれているため、毎日の食事で意識的に摂取してください。ただ、それだけ摂ればいいというのは間違いで、バランスが重要です。ダイエットに取り組んでいる方は、この点に注意が必要です。たとえば、便秘改善のためには、ある程度の油分も必要です。また、水分不足だと便が硬くなってしまうため、適度な水分補給も必要です。



便秘改善のため腸内環境を整えるには、乳酸菌やビフィズス菌が添加されたヨーグルトを摂ることが推奨されますちなみに、摂取した乳酸菌やビフィズス菌は腸内に定着しないため、菌を腸に送り続けて腸内環境の改善を促す必要があります。10日間〜2週間程度は継続して食べるようにしましょう。乳酸菌やビフィズス菌は胃酸に弱い性質があり、空腹時は胃酸が多く分泌されるため、食前より食後に摂るのがオススメです。また、便秘に働きかけるのであれば、朝よりも夜が適しています。腸の動きが活発になるのは睡眠時ですが、眠る前に食べ物を摂取すると胃腸に負担がかかってしまうため、夕食後くらいに摂るようにしましょう。


あとは、睡眠と運動に留意しましょう。腸のぜん動運動は就寝時に活発になるため、睡眠が不足すると腸の動きが鈍くなり、お腹にガスが溜まりやすくなってしまいます。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、自律神経のバランスを整えて腸のぜん動運動を活発にする効果があります。1日20分〜30分くらいの運動でいいので、毎日続けることが大切です。


閲覧数:0回0件のコメント

最新記事

すべて表示