睡眠不足と肌そして肥満との関係

秋らしい清々しい空気を感じられる毎日ですが、皆さんお肌の調子はいかがでしょうか。確かに温度も湿度も「ちょうどいい感じ」で過ごしやすい日が続いています。でも、過ごしやすいからかえって何かと夜更かしを重ねることが多いという方もいらっしゃるのでは。インスタ、YouTube、ゲーム、読書など夜更かしの材料には事欠きません。最近の厚労省の調査によれば、およそ20%の人が睡眠について「あまりとれていない」「まったくとれていない」のいずれかと感じているということです。



昔から「睡眠不足はお肌の大敵」っていいますよね。今回は、ちょっと気になる睡眠とお肌、それとダイエット(肥満)の関係についてのお話です。


睡眠中の私たちの体の重要な機能の一つにホルモン分泌があります。ホルモンと聞くと「男性ホルモン」「女性ホルモン」を思い浮かべる方が多いと思いますが、人間の体内には100種類以上のホルモンがあるといわれます。そのうち、肌コンディションと大きく関係するのが「成長ホルモン」と「睡眠ホルモン」です。


まず、成長ホルモンはその名の通り身長を伸ばすなど、子どもの成長には欠かせないホルモンですが、実は大人にとっても大切なものです。入眠3時間に分泌されるといわれている成長ホルモンは、新陳代謝を促し、日中に浴びた紫外線や外気等のダメージを修復してくれるはたらきをします。ということは、睡眠が不足すると肌のターンオーバー(代謝機能)が阻害され、日中受けたダメージ回復も不十分なまま朝を迎えることになります。これが数日くらいなら回復も短期間で可能でしょうが、睡眠不足が一定期間続いてしまうと肌は深刻な状態に至ってしまいます。


次に、「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンのはたらきも無視できません。メラトニンは、老化の原因となる活性酸素を取り除く抗酸化作用があるだけでなく、先にお話しした成長ホルモンの分泌を促すはたらきが指摘されています。メラトニンは、夜間から睡眠中に最も多く分泌されます。その効果は、ビタミンCやビタミンE以上といわれることもあり、そのため、肌を生まれ変わらせ肌コンディションを保つためにも睡眠はとても重要なのです。インナーケアとして睡眠の大切さを見直していきましょう。


さて、睡眠不足は、肌への悪影響に加えて肥満の大敵ともいわれます。

そもそも、人の眠りは、浅い睡眠(レム睡眠)と深い睡眠(ノンレム睡眠)を交互に繰り返しています。このうち深い睡眠が減少してしまうと肥満の発症につながることが指摘されています。


少し前になりますが、ある米国の大学が行った興味深い調査結果があります。32~59歳の男女8000人を対象に調べたところ、平均7~9時間の睡眠時間の人に比べて、4時間以下の睡眠の人の肥満率は73%も高かったのです。


また、5時間程度の睡眠の人であっても、肥満率が50%も高いと報告されました。32歳から59歳といえば働きざかりといわれる年齢で、仕事に家庭にとにかく忙しい日々を過ごしている人がほとんどでしょう。睡眠時間が5時間を切ることなどごく普通なのでは。そんな普通の人にとってちょっとショッキングな話ですね。

それでは、睡眠が短いとなぜ太りやすくなるのでしょうか?


先にあげた調査とは別に行われた米国の大学の調査では、睡眠時間は食欲と関係していることがわかりました。睡眠時間5時間程度の人は、食欲がわくホルモン「グレリン」の量が約15%多く、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の量が約15%低いという結果が出たのです。これは「睡眠時間が短くなる」=「起きている時間が長くなる」ということなので、体はグレリンを増やしレプチンを減らすことで私たちに食べ物を摂るよう促し、長くなった活動時間に必要なエネルギーを確保しようとする体の働きだとされています。要するに、睡眠時間が少ないと食欲が増進し、肥満につながるとの調査結果です。


さらに、睡眠不足が肥満を招くことにつながるより本質的な要因があります。それは、「基礎代謝」の問題です。基礎代謝とは、内臓を動かしたり、呼吸をしたり、体温を調整したり、私たちが生きているだけで消費するカロリーです。人が自分で動いて消費できる総活動量は、一般的には1日の総消費カロリーの3割程度とされています。そして、残りの7割は「基礎代謝」によるものです。ということは、総消費カロリー全体の約7割を占める基礎代謝が上がれば、消費カロリーが増え、やせやすくなります。逆に基礎代謝量が落ちれば、太りやすくなるということです。


基礎代謝の中でも一番多くカロリー消費を占めるのが筋肉です。筋肉は、私たちの体を支えると同時に、体温をつくり出す働きを担っており、筋肉量が減ると代謝が落ちるだけでなく、体温が維持できなくなるため、体の熱を逃がさないように筋肉が減った分を脂肪で埋めようとします。これが過剰に進むと「肥満」になるとされています。筋肉量を維持もしくは増やすための運動と食事に留意したいですね。


それでは、適切なホルモン分泌を促し、基礎代謝を維持する「良質な睡眠」を導くために心がけたいポイントを紹介しましょう。



①少なくとも睡眠3時間前には、刺激物は避ける

カフェイン飲料(コーヒー、紅茶、緑茶など)は入眠を妨げたり、睡眠を浅くする可能性があります。


②心身をリラックスさせる

軽い読書、癒しを感じる音楽、アロマ、40℃くらいのぬるめの入浴、軽いストレッチなど、どれか好きな方法で心身をリラックスさせましょう。


③就寝前のアルコール・喫煙は控える

寝酒は中途覚醒を増やします。一時的に寝つきはよくなっても、夜中に目を覚ましやすくなったり、眠りが浅い状態になったりします。また、タバコに含まれるニコチンにも覚醒作用があるので就寝前の喫煙も避けましょう。


④毎朝、同じ時刻に起床する

毎日の決まった時間に起床することで、体に一定の睡眠と覚醒のリズムが身に付き、睡眠の質向上に繋がります。


⑤就寝前のブルーライトに注意する

スマホやタブレットが放射するブルーライトを見ると、脳が「昼間だ」と勘違いしてしまい、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌が抑制され、不眠につながることが指摘されています。

就寝前、ベッドの中でスマホを見たくなることもあるでしょうが、良質な睡眠のために我慢しましょう。


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